2008年10月12日
10月11日 平成20年度、新米による新酒の初搾りが始まりました。
10月11日午前10時より、完全冷却された酒蔵のなかで、新米・五百万石を使った純米吟醸酒の新酒の初搾りが始まりました。今年の福井県産五百万石は、天候の影響からか例年より少し硬く、吸水が遅く、お米の蒸し具合の調節などに少々苦労致しましたが、出来上がりは、まさに上出来。素晴らしい香りと、さわやかで豊かな味とともに、切れのある素晴らしい味に仕上がりました。最高の出来上がりにほっとするとともに、今年も酒造りができる幸せを心から感じました。
搾りは、手搾りで、モロミを入れた酒袋を「ふね」と呼ばれる搾り機の中に、一袋一袋丁寧に千鳥に積んでいきます(左写真)。例年通り、慎重に丁寧に作業致しましたが、今年度の初搾りという緊張感で一杯でした。前半約100袋は、私と平野杜氏が担当し、後半は数名が順次交代致しました。最初に流れ出てきた初垂れのしずくを、真っ先に利き酒で確かめたその味は、予想を上回る、まさに感動の一滴でした。
当蔵では、右写真のように、手搾りにおいては、油圧などの上からの圧力を加えずに、全て、しずく取りでお酒を搾ります。そうすることで、余計な雑味が加わらず、クリアーでピュアーなお酒が搾れます。この蔵元日記をご覧の皆様にも、この素晴らしい今年の搾りたて新酒を、出来るだけ早くご愛飲頂けるようにしたいと存じます。
今年も新酒を搾れる喜びに浸りながらも、これから長い期間の酒造りに対して、真摯に頑張ろうと、平野杜氏を筆頭に、蔵内一同で誓った日となりました。
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